タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
姫とオルマさんが神妙な表情になる。


「アザレア姫は、公正な勝負をなさるお方でございます」


「伝説の秘宝を手に入れたとなれば、潔く負けを認め、道具として結婚いたしましょう」


どんな結果でも受け入れるってこと?


でも、それなら別にあたしの出番って、無くない?


姫には心静かにおとなし~く、人智を尽くして天命を待っていただく、ということで・・・。


「王子が偽物を用意しようとする恐れもございます」


「そうはいかぬように、監視する者が必要なのですわ」


そ、それで、その監視人があたし!?


姫のシンパシーのせいで選抜されちゃったの!?


「シーロッタ・ヌゥーキー男爵夫人、私からもお願いする」


は!? セルディオ王子まで!?


そんな、お願いされても困るんですけど!


「兄上がこれ以上、愚かな行為に手を染めぬよう、見張っていて欲しいのだ」


「いや、あの、その役目はぜひ、セルディオ王子の忠臣に・・・」


「私の周囲は、私を王位につけようと画策する者ばかりで信用できない。城内の派閥に無関係な者が適役なのだ」


なのだってそんな、キッパリ断言されても。


あたしの方が、よほど信用できない人物だとは、ぜんっぜん考えないんだろーかこの人。


なに? ひょっとしてセルディオ王子もシンパシー感じちゃったの?


「国の平安のためなのだ。むろん、相応の礼はさせてもらう」

「相応の礼?」

「下賜を欲しがっていただろう? 男爵夫人」


・・・・・・!

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