タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
秘宝探索が済むまで、うまいこと隠し通さないと。


「ところで男爵夫妻は長い間、遊学されていたと噂に聞いたが?」


「は、はい? あ、ええまあ」


「どちらの国へ? どうやら我が国とは、全体的にかなり異なる文化の国のようだが?」


う゛・・・。今度はそのツッコミが来たか。


「え、えぇーーっとぉぉ・・・」


やばいまずいどーしよー。なんて答えればいいのやら。


へ、へたな返事して墓穴掘るよりも、この場から逃げ出した方がいいかな?


おなか痛いからトイレに行きたいって泣いちゃダメ?


「あのですね、それはですね、えっと・・・」

「ミアン!」


必死に取り繕おうとしていたあたしの背後から、大きな声が聞こえた。


・・・・・・この声は!


「ブラン!!」


やっぱりブランだ!


人間の姿のブランが大股でこっちに向かって歩いてくるのを見て、少しホッとした。

良かった。ひょっとしたら気を失ってる間に、変化魔法が解けちゃうんじゃないかと思ってたんだ。

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