タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
ずんずん近づいてくるブランは、なにか怒ったような顔をしている。


そして今にも、お互いぶつかりそうなほどの至近距離で向かい合い、あたしは慌てて身を逸らす。


な、なによ? なんでそんな怖い顔してんのよ??


「なにやってるんだよお前は!」

「・・・・・・へっ!?」


いきなりのブランの怒声に、あたしは目をパチパチさせた。


な、なにやってるって・・・。


・・・・・・

・・・・・む・・・・・・


むかあぁっ! と来たー!! いまの!!


なにそれ! それはこっちのセリフでしょ!?


あんたこそなにやってんのよ!!


あんたが酒飲んで引っくり返ってる間、あたしがどんだけ、天国と地獄を垣間見たと思ってんの!?


「なんであたしがあんたに怒られなきゃならないの!?」


「お前がオレの嫁だからだ!」


「はあぁ!? なにそれ! だからどーした!?」


「だから・・・・・・!」


ブランは、何か耐えきれない感情を思い切り吐き出すように叫んだ。


「だから他の男と・・・・・・ベタベタするなっ!!」

「・・・・・・!?」

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