タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
さすがに焼けた部分も再生するでしょ?


でもなんかこれって、つい最近に火事でもあったような・・・。


――パキッ・・・・・・


枯れ枝を踏むような小さな音が、木々の繁みの向こうから聞こえた。


全員が足を止め、顔を見合わせる。


今の音って野生動物? ・・・野生のオオカミの群れとか!?


「シッ。静かに・・・」


ブランが音の聞こえた方をジッと見つめながら、小声でつぶやいた。


「なにかが、いる・・・」

「なにかって、やだちょっと怖いよぉ!」


やっぱりオオカミかなんか!? まさか熊とかじゃないでしょうね!?


「なにか、変なんだ。臭いがする。動物の・・・」


「そりゃそうでしょうよ。森に住む野生動物でしょう?」


「確かに野生動物の臭いだが、それと同時に・・・」



ブランは眉をよせ、ひどく不審な表情をした。


「とても、禍々しい匂いがするんだ」


――ガササッ


少し離れた繁みから突然、大きな動物が一頭、姿を現した。


あ、馬だ。野生の馬。


そう思った。・・・・・・最初は。

でも思った次の瞬間、あたしは自分の間違いに気が付いた。


こちらをじっと見つめているその動物には・・・


頭が、みっつ、あったから。

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