タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
「あの話、もしかして本当のこと?」
「あの話って、父上が言っていた話?」
「うん。マスコール王国が戦争に勝つために、禁呪を使って魔族を呼び出したって話」
今までは「そんなんウッソだぁ~」って鼻で笑って聞いてたけど。
さすがに現実に、こうも次々と魔物を見ちゃうと・・・。
鼻から笑いも引っ込んでしまう。
「・・・そんなの、ただの作り話に決まってるよ」
スエルツ王子が複雑な表情でそう言った。
その思いつめたような口調に、あたしはハッとする。
そ、そうか。もしもあの話が本当だとしたら。
国王は危険を知りながら、自分の息子をそんな恐ろしい場所に平気で放り込んだってことになっちゃうんだ。
父親の愛情に飢えているスエルツ王子にとって、そんなこと認めたくないだろう。
「そ、そうだね。いくらなんでも禁呪とか、おとぎ話すぎるよねぇ!」
「うん、そうだよ」
「王様もさ、驚くだろうね! それでさ、そんな所から見事に生還した王子のこと、褒めてくれるよきっと!」
「うん・・・男爵夫人」
「なに?」
「ありがとう」
スエルツ王子は、そう言ってあたしに微笑んだ。
その笑顔は、とても寂しそうだった。
スエルツ王子・・・・・・。
おバカで頼りない人。アザレア姫を自分の利益の為にだました、ヒドイ人。
そう思っていたけれど。
「あの話って、父上が言っていた話?」
「うん。マスコール王国が戦争に勝つために、禁呪を使って魔族を呼び出したって話」
今までは「そんなんウッソだぁ~」って鼻で笑って聞いてたけど。
さすがに現実に、こうも次々と魔物を見ちゃうと・・・。
鼻から笑いも引っ込んでしまう。
「・・・そんなの、ただの作り話に決まってるよ」
スエルツ王子が複雑な表情でそう言った。
その思いつめたような口調に、あたしはハッとする。
そ、そうか。もしもあの話が本当だとしたら。
国王は危険を知りながら、自分の息子をそんな恐ろしい場所に平気で放り込んだってことになっちゃうんだ。
父親の愛情に飢えているスエルツ王子にとって、そんなこと認めたくないだろう。
「そ、そうだね。いくらなんでも禁呪とか、おとぎ話すぎるよねぇ!」
「うん、そうだよ」
「王様もさ、驚くだろうね! それでさ、そんな所から見事に生還した王子のこと、褒めてくれるよきっと!」
「うん・・・男爵夫人」
「なに?」
「ありがとう」
スエルツ王子は、そう言ってあたしに微笑んだ。
その笑顔は、とても寂しそうだった。
スエルツ王子・・・・・・。
おバカで頼りない人。アザレア姫を自分の利益の為にだました、ヒドイ人。
そう思っていたけれど。