タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
明るくて、一生懸命で、なのにどこか抜けてる可愛いタヌキたち。


お人好しのおタヌキ王。


『ミアンは立派な、わが一族の仲間である』


その言葉に、笑顔でうなづいてくれたみんな。


いま、死にかけているあたしの心に灯る光。


小さいけれど、確かに感じる存在。


温かくて、柔らかくて、とても穏やかな、白い光。


白い・・・・・・


あぁ・・・ブラン・・・。


薄れる意識の中、あたしは自分が涙を流しているのを感じていた。


涙の雫が頬を伝って落ちる。


その雫は、あたしの心のありさまのように、とても熱かった。


鼻の奥も、胸の奥も、熱くて痛くてたまらない。


痛くて、そして、切なくて・・・たまらない。


純白に輝く美しいブラン。


彼が運んでくれた果実の味。


美味しいと喜ぶあたしの顔を見つめていた、満面の笑顔。


漆黒に染まる山の夜。毎日抱きしめた滑らかな、あの白い温もり。


静寂の中で、耳をすませばただひとつ聞こえた、確かな鼓動。


そうだ、確かにあったんだ。


虚しさだけに満ちた人生の中で、それでも、あった。


あの純白と温もりは、間違いなく確かにあったんだ。


あたしの隣に、この手の中に。

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