タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
だからボクは、なんとしてでも立派な王にならければならない。


死ぬまでボクをただ一人、信じ続けてくれた母上のために。


でも、なんの取り柄もないボクが、なにをすれば父上に認めてもらえるだろう?


・・・・・・そうだ。

重要な国家との婚姻関係だ。


政略結婚ならボクにもできる! 


これで父上に、ボクの存在を認めてもらおう!


だから最初から決意していたんだ。


アザレア姫に結婚を申し込み、なんとしてでも承諾してもらおうと。


どんなに性格のヒドイ姫であったとしても、構わないと覚悟・・・いや、諦めていた。


なのに・・・

いや、だからこそ・・・・・・



「だから初めて姫と出会った時の衝撃は、一生忘れられないよ!」


「衝撃? どんな?」


「姫ね、なんと、大ゲンカしてたんだよ!」


「・・・・・・はい?」


「だから、大ゲンカだよ! 自分の父王を相手に!」



政略結婚を強要する父王や、並み居る大臣たち相手に、一歩もひるまず。


胸を張って堂々、対等に渡り合っていた。


『アザレア! お前はこの国の姫なのだぞ!?』


『分かっております! ですから、遠い異国の王子との五度目の結婚も、いずれはいたしましょう!』


『ならば・・・!』


『ですが! それはわたくしが、この目で相手を確かめてからです!』

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