タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
竜の目!? 竜の・・・!


・・・・・・あれ? 


あたしは地面にヘタリ込みながら首を傾げた。


ちょっと待て。なんかそのフレーズ聞いたことがある。


「・・・あ! 竜神王の目っ!?」

「おー、そういや人間は、そう呼んでいたなぁ!」


竜神王の目って、あたしたちが探してる秘宝じゃないの!


あたしと王子は目を丸くして同時に叫んだ。


「「竜神王の目って、宝石と違うの!?」」


「似たようなもんだぁ。宝石の大親分みてえなモンだからなぁ」


地竜の目だから、「竜神王の目」?


誰が付けたの? センス無し。

それはともかくとして・・・


「それってマスコール王国に代々伝わる秘宝でしょ!? なんで竜の目玉なんか、人間が持ってるの!?」


「そりゃ大昔に人間が、あの地竜からブン盗ったからだなぁ」


「ブ・・・!」


ブン盗ったあ!? 

竜の目玉を!? な、なんて大胆なことを・・・!


「人間は、貴重な宝石となると目の色変えて欲しがるからよぉ」


オジサンのその言葉に、タヌキ狩りに興じる人間の姿を思い出す。


貴重で美しい毛皮を、競い合うように手に入れたがる人間たち。

< 246 / 438 >

この作品をシェア

pagetop