タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
・・・・・・・・・・・・。

・・・え? なんだって?


「オジサン、いまなんて言ったの?」


「だから、ここにあるからだぁよ」


「・・・・・・なにがよ?」


「だから、竜の目ん玉がだぁよ」


「・・・・・・・・・・・・」


あるの? ここに?


竜の目玉が? 竜神王の目が?


この、今にも洞窟を崩壊せんばかりに暴れてる竜の、探し物が?


「・・・だったら竜にとっとと返しなさいよ!!」


ポンポン軽快に跳ねてるヒマがあったら、返してくりゃいいじゃないの! その目玉!


それで万事解決するんでしょ!?


確かにあたしたちも竜神王の目を探してたけど!


事情が事情よ! もういい、それいらないから!


「それ、返してきて!」


「嫌だぁよぉ」


「なんでよ!?」


「じゃあおめえ、自分で行って返してこいよ」


「嫌よそんなの! 怒り狂ってる竜なんかに近づいたら、殺されちゃうじゃないの!」


・・・・・・あ。

そうか。そういうことか。

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