タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
結局そのあと、コウモリグループには何度も遭遇してしまった。


しかたない。もともとトンネル内は彼らのテリトリーだもんね。


しまいには慣れてしまって


「ふたりともー、次また集団来るよー。頭さげてー」

「はーーーい」


・・・なカンジに。


そのうちに、冷静に洞窟内を見渡す余裕も出てきて。


そのあまりに美しい絶景に、あたしは心を奪われてしまった。


天井を覆い尽くす白い鍾乳石は、豪華絢爛なシャンデリアみたい。


なんと表現すればいいのか・・・


まるで地底の妖精の王が君臨する、王宮のようだ。


満々と水を湛えた巨大地底湖は、奥底の、底の底まで完璧に澄み切っている。


そして洞窟内を照らす、白く輝くクリスタルの結晶の山。


あぁ・・・どれもこれも美しい。本当に本当に美しい!


ブラボー! 地底世界!



やがてトロッコのスピードが徐々に落ちていき、ピタリと停止した。


ずっと向こうには、明るい小さな自然光。きっと出口だ。


あたしたちはトロッコから降りて、光に向かって歩き始めた。

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