タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
ブランの声にギクリと震え、とっさに視線を逸らす。


「ミアン、どういうことだ?」

「・・・・・・・・・・・・」


返事をすることができないあたしに代わり、セルディオ王子が説明し始めた。


「なに、この女が私に教えてくれたのだよ」


「なにを・・・だよ・・・?」


「この山の金脈の存在だ。自分の正体を暴かれて、とっさに言い逃れるためにな」


「ち、違う!」


違う! そうじゃない!


そうじゃないんだ! あたしは確かにしゃべっちゃったけど! 


「決して、そんな理由でしゃべったわけじゃないよ!」

「しゃべった・・・?」


あ・・・・・・!


あたしはバッと両手で自分の口を押えた。


ち、違う! 違うんだよブラン! あたしは・・・!

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