タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
「しかし兄上が戻ったならば、急いで城へ戻らねばな。お前たち、城へ戻るぞ」


王子の命令を合図に、兵士たちがゾロゾロとこの場を立ち去り始めた。


タヌキの死体を両肩にドッサリ担ぎながら。


「やめろ! みんなをどこへ連れていく気だ!」


ブランが叫んで兵士のひとりに飛びついた。


そしてタヌキを奪い返そうとする。


隣の兵士がそれを見て、剣の柄でブランの頭をガツッと殴りつけた。


「・・・・・・!」

声もなくブランは崩れ落ちる。


「ブラン!」


あたしはブランの元へ駆け寄り、彼の体に覆いかぶさった。


「やめて! これ以上ひどいことしないで!」


もう・・・これだけやればもう十分でしょう!?

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