タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
真っ白な白馬。


全身が穢れのない淡い光沢で包まれ、類まれな神秘性を際立たせている。


額には、らせん状の筋の入った長く細い角。


深く落ち着いた紺色の瞳の色ときたら、もう言葉で言い表せない。


これが本物のユニコーン。

夜の闇の中で、なんて神々しい。まるで夢のようだ。


「おー、来てくれたんけぇ? ありがとなぁ」


オジサンが親しげにユニコーンに向かって話しかける。


するとユニコーンがゆっくりと近づいて来て、挨拶するように顔を寄せた。


オ、オジサン、まさかユニコーンとお知り合い!? 


「・・・大変おみそれいたしました!」


「ねえちゃん、さあ早く乗るだぁよ」


思わず深々と頭を垂れていると、オジサンにそうせっつかれた。


乗る? このユニコーンに?

そんな! 恐れ多くて天罰下りそう!


「ユニコーンの背中に、あたしのお尻なんて乗っけられないよ!」


「いーから早く乗っけろって。そのケツ」


「ケ・・・・・・」

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