タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
「こー見えて、コイツは結構スケベなんだぁよ」


オジサンがカラカラと笑い声を立てた。


「ユニコーンってのはよぉ、処女が、大ぁーい好きなんだぁよ」


「・・・はい?」


「生娘の香りに酔って、フラフラ近づいて来て、べったり懐いちまうんだ」


「それ、ただのエロオヤジじゃん!」


憤慨するあたしにユニコーンが近づいて来て、ウットリと馬面を摺り寄せる。


紺色の瞳がニンマリ笑っているように見えて、ウゲッと思ってしまった。


うー、さっきまではあんなに神々しくて神秘的に見えてたけど。


一気にバカだんなレベルまで好感度が落ちた気がする。


「ただよぉ、好きなのは処女だけなんだぁ。そうじゃないと知れたら、怒るのなんのって」


「どうなるの?」


「その女を八つ裂きにして殺しちまうんだぁ」


「げっ」


なにそれ!? 殺すほどのことじゃないのに!


女が処女じゃないからって、別にあんたに迷惑かけないでしょ!?


「なんなの!? その横暴極まる、ムカつく習性は!?」


「ユニコーンってのは、おっかねえ生き物なんだぁよ。・・・あ、ところでねえちゃん」


「なに?」


「おめえ、処女かぁ? そうでなかったら殺されちまうぞぉ?」


「呼ぶ前に確認してよ! そういう大事なことは!」


今になってから聞いてどうすんのよ!

< 326 / 438 >

この作品をシェア

pagetop