タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
――ドゴオォッ!!


ユニコーンが体当たりで突っ込み、扉は簡単に粉砕された。


・・・よし! 無事に城に入った!


砕けた木屑の粉が舞い散る中、城内を見回す。


城仕えの人たちが、腰を抜かしたり立ち尽くしたり、様ざまな反応を見せている。


ユニコーンが脅すように高くいななくと、クモの子を散らすように一斉に逃げ出した。


「オルマさんを探さないと!」

「どこにいるか分かるけぇ!?」

「たぶん、最上階にいると思う!」

「男爵夫人!?」


二階から声が聞こえてきた。


見上げると、スエルツ王子が目を丸くしてこっちを見下ろしている。


良かった! 王子を見つけた!


「訪ねてくれとは言ったけど、ずいぶん派手な・・・。しかもそれ、ユニコーンじゃない!?」


「スエルツ王子! オルマさんはどこ!?」


「え? え? オルマがどうしたって!?」


事情が分からず、混乱の極地の王子にオジサンが叫んだ。


「おぉい! にいちゃんよぉ!」


「ノームのオジサンじゃないか! なんで!?」


「大変だぁ! 目ん玉が無くなっちまったんだぁよ!」


「目ん玉って、オジサンの?」


「そーじゃねえよぉ!」

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