タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
このままじゃカメリア王国は、魔物と亡霊のはびこる亡国となってしまう。


タヌキも、人も、山も、川も、何もかも・・・・・・


みんな、死ぬ!!


地竜の体からどす黒い煙が渦を巻き、全身からドロドロと立ち昇っている。


・・・あれは地竜の怒り。


あまりの憤りの為に、感情が具現化してしまっているんだ。


その黒い煙が地面に垂れ落ちて、地中にジワジワと浸透していく。


――シュウゥ・・・


すると、周辺の木々が変色していった。


黒と茶の混じったような、枯れて寿命を迎えたような色。


見る見るうちにカラカラに萎んで、細い枝のようになり、大木が軒並み倒れていく。


滅亡が始まった! 大地が死に始めた!


巨体から流れ出る膨大な量の負の感情に、どんどん木々が倒れていく! 


この様子じゃ、国全土に広がるのも時間の問題だ!


「オジサン、行こう!」

「どこへだぁよ!?」

「オルマさんを探しにだよ!」

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