タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
「え・・・? 」


なに言ってんの違うでしょ?

王さまは秘宝の力を使って、マスコール王国の魔物たちを封印・・・。


あ、そうか。


秘宝にそんなミラクルな力なんか無いんだ。


封印されるどころか、魔物は我がもの顔して国中を占拠してる。


なんか全部が全部、噂話とぜんぜん違う・・・。


「王家の流す噂話など、都合のよいデタラメばかりだ」


あたしの不審な思いに答えるように、セルディオは語り続けた。


「父上がマスコール王国を滅ぼしたわけではない。それは秘宝とオルマがやった事だ」


「秘宝とオルマさんが?」


・・・ちょっと、なに言ってんのかぜんぜん分かんないんだけど。


だから、目玉にそんな力は無いってさっきから言ってるでしょ?


それにマスコールの姫だったオルマさんが、なんで自国を滅ぼすのよ?


コイツとあたしって、まったく意思疎通ができてない!


本性はともかく頭だけは良いヤツかと思ってたけど、頭まで穢れてるのかコイツは!?


「意味が通じるように説明して!」


あたしが怒鳴ると同時に、遠くから悲鳴が聞こえてきた。

< 347 / 438 >

この作品をシェア

pagetop