タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
「オ、オルマさん!?」
「オルマ!? これはいったい、どうしたというのですか!?」
あたしと姫が同時に叫んだ。
白い床石に、豪華なタヌキの毛皮のマントを羽織った王様が横向きに倒れている。
腹からは赤黒い血が流れ出し、床の上にジワジワ広がっていく。
「ぐ、うぅぅー・・・・・・」
「ち、父上!!」
王さまが苦しげな唸り声をあげ、スエルツ王子が弾かれたように駆け寄ろうとした。
「・・・・・・来るな!」
オルマさんが低い厳粛な声で王子を制止する。
そのあまりに鋭く厳しい声に、王子がビクリと立ち止まった。
「来るでないスエルツ王子よ。来ればお前の父の首を掻っ切る」
脅しではないと言わんばかりに、スッと剣先を王さまのノド元に当てた。
王子はヒッと息を飲み、言われた通りに動きを止める。
「それで良い。どちらにせよ王は死ぬが、まだしばらくは生きていてもらいたいのでな」
まるで人が変わったような声。
こんな状況の渦中にいるとは思えないような、落ち着いた様子。
そんなオルマさんに、真っ青な王子が震える声で訴える。
「や・・・めて。やめてよオルマ。お願いだから」
「オルマ! おやめなさい! なにがどうしたというのですか!?」
アザレア姫も青ざめた顔で、それでも凛とした態度でオルマさんに問いかけた。
「わたくしに説明なさい! なにもかも!」
「オルマ!? これはいったい、どうしたというのですか!?」
あたしと姫が同時に叫んだ。
白い床石に、豪華なタヌキの毛皮のマントを羽織った王様が横向きに倒れている。
腹からは赤黒い血が流れ出し、床の上にジワジワ広がっていく。
「ぐ、うぅぅー・・・・・・」
「ち、父上!!」
王さまが苦しげな唸り声をあげ、スエルツ王子が弾かれたように駆け寄ろうとした。
「・・・・・・来るな!」
オルマさんが低い厳粛な声で王子を制止する。
そのあまりに鋭く厳しい声に、王子がビクリと立ち止まった。
「来るでないスエルツ王子よ。来ればお前の父の首を掻っ切る」
脅しではないと言わんばかりに、スッと剣先を王さまのノド元に当てた。
王子はヒッと息を飲み、言われた通りに動きを止める。
「それで良い。どちらにせよ王は死ぬが、まだしばらくは生きていてもらいたいのでな」
まるで人が変わったような声。
こんな状況の渦中にいるとは思えないような、落ち着いた様子。
そんなオルマさんに、真っ青な王子が震える声で訴える。
「や・・・めて。やめてよオルマ。お願いだから」
「オルマ! おやめなさい! なにがどうしたというのですか!?」
アザレア姫も青ざめた顔で、それでも凛とした態度でオルマさんに問いかけた。
「わたくしに説明なさい! なにもかも!」