タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
セルディオとゾンビは、もつれるように床に倒れた。
――ギャアァ! グォォー!
どちらの声か判断のつかない奇声と悲鳴が、激しくほとばしる。
「セルディオ!」
助けに行こうとするスエルツ王子を、あたしは必死に押しとどめた。
「だめ! 今行ったら王子も襲われちゃうよ!」
「放して! セルディオが! セルディオが!」
「うわあ! うわあぁぁーーー!!」
「セ、セルディオーーー!!」
ゾンビたちのすき間から、助けを求めるセルディオの腕が伸びた。
恐怖と苦痛にわななく目も覗く。
「父上! 父上! 父上!」
セルディオの指先は、王さまに向かって伸びていた。
ゾンビたちの呻き声が響くたびに、その指がビクビクと跳ね上がる。
「父上! ちち・・・うえ・・・・・・!」
呻き声。
耳を覆いたくなるような咀嚼音。
断末魔の悲鳴。
痙攣する指。
あたしは目をギュッと閉じて、それらの音を聞き続けた。
今にも飛び出そうとするスエルツ王子の体を、懸命におさえ続けながら。
やがて・・・・・・
悲鳴が聞こえなくなり・・・・・・
痙攣する動きすらも・・・・・・
伸びていた腕も、ゾンビたちの中に引きずり込まれ、そして・・・
床に真紅の血が、撒き散らしたように広がった。
――ギャアァ! グォォー!
どちらの声か判断のつかない奇声と悲鳴が、激しくほとばしる。
「セルディオ!」
助けに行こうとするスエルツ王子を、あたしは必死に押しとどめた。
「だめ! 今行ったら王子も襲われちゃうよ!」
「放して! セルディオが! セルディオが!」
「うわあ! うわあぁぁーーー!!」
「セ、セルディオーーー!!」
ゾンビたちのすき間から、助けを求めるセルディオの腕が伸びた。
恐怖と苦痛にわななく目も覗く。
「父上! 父上! 父上!」
セルディオの指先は、王さまに向かって伸びていた。
ゾンビたちの呻き声が響くたびに、その指がビクビクと跳ね上がる。
「父上! ちち・・・うえ・・・・・・!」
呻き声。
耳を覆いたくなるような咀嚼音。
断末魔の悲鳴。
痙攣する指。
あたしは目をギュッと閉じて、それらの音を聞き続けた。
今にも飛び出そうとするスエルツ王子の体を、懸命におさえ続けながら。
やがて・・・・・・
悲鳴が聞こえなくなり・・・・・・
痙攣する動きすらも・・・・・・
伸びていた腕も、ゾンビたちの中に引きずり込まれ、そして・・・
床に真紅の血が、撒き散らしたように広がった。