タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
「オレは土の精霊だからな。地竜の穢れが尋常じゃない事に、すぐ気が付いた」


「・・・・・・・・・・・・」


「地中を通って急いで駆け付けたんだが・・・・・・」


血を流して倒れる王。


その首筋に剣を当てるオルマさん。


惨たらしいセルディオ王子の遺体。


放心しているスエルツ王子。


「なんだか分からないが、どうやら事態はかなり進んでるようだな」


あたしは何も答えずに、ただブランを見つめている。


どう返答すればいいものか、分からない。


――ドゴオォォッ!


背後の音にブランが素早く振り返る。


見ると大きなハンマーが、威勢よくゾンビたちを端から殴り倒していた。


ノームのオジサンがゾンビの集団を相手に、孤軍奮闘している。


「白タヌキ、おめえ、助けに来たってんなら働けよぉ!」


「悪いな。こっちの方が優先だ」


ブランはゾンビの軍団を気にも留めずに、あたしに振り返った。


「世界の危機より何よりも、オレは今度こそ、言いたい事をミアンに伝えたい」


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