タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
ブランはあたしに近づいて、あたし達は向かい合った。


あたしは、怯えながら黙って彼の姿を見上げている。


やっぱり、次にブランが何を言うのかが、とても怖くて。


彼はあたしの目を逸らさずに見て、こう言った。


「言ったろ? タヌキは一度結婚したら、一生その相手を守り続けるって」


ああ・・・・・・

そうか。


あたしは素直に納得した。


そうか、ブランは義務を果たしに来たんだ。


一度言った自分の言葉の責任を果たすために。


すごくブランらしい。そうか、そうだったんだ・・・・・・。


静かな納得。そして・・・軽い失望。


ひょっとしたらと密かに期待していた自分に気付いて、とても恥ずかしかった。


なに考えてるのよ。そんな権利、どこにもないくせに。


自嘲するあたしの心を読み取ったかのように、ブランは頭をガリガリ掻いた。


「あぁ、くそ! 違う! これだからダメなんだ!」


「・・・・・・・・・・・・?」


「そうじゃなくて、お前がオレの嫁だから・・・あぁ! これもダメか!」


「・・・・・・・・・・・・??」


「ああぁぁぁ・・・・・・!」


頭を掻きむしりながらブランは唸ってる。


な、なにを悶絶してるんだろう?

申し訳ないけど、あたしにはさっぱり分からない。


「あの、ブラン・・・・・・」

「オレはミアンが好きだ!」

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