タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
早口言葉のように、一気に吐き出された言葉。


一瞬、その意味が分からなくてキョトンとする。


固まっているあたしに向かい、ブランは何度もその言葉を繰り返した。


「好きだ! 好きだ! たまらなく好きだ!」


「・・・・・・・・・・・・」


「オレはミアンのことが、本気で好きなんだ! 愛してるんだ!」


なにが・・・・・・なに、やら・・・・・・。


あたしはパニック状態だった。


思いもよらない強烈な言葉を連続で浴びせられて、頭が真っ白だ。


あたしのことが、好き?

ブランが、あたしを、好き?

愛してるって、いや待ってよ。だって。


だってあたしは、あなたは・・・・・・


「だってあたしは、もうタヌキ一族の仲間じゃないでしょう?」


「オレも一族は捨てた」


「えっ!!?」


さらなる思いもよらない言葉に、あたしはドギモを抜かされた。


「だから、オレは一族を出た。捨てたんだ」


す・・・・・・


捨てたぁーーーーー!? 


捨てた!? 一族を捨てたって!?


なにそれ!? 信じられないそんな、す、捨て・・・!?


ひ・・・・・・


「・・・・・・拾ってきて!!」


思わず叫んでしまった。


ブランにとって一族は・・・一族の伝説の白騎士であることは、何よりの誇りでしょ!?


それだけが目標だったんでしょ!?


なのに捨てちゃってどうするのよ!
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