タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
その地竜の姿を見て、あたしは愕然とする。
赤茶色に輝いていたウロコは、どす黒く変色して見る影もない。
銀色だった牙も爪も、くすんで光を失っている。
地底で見た時は、怒りに我を忘れていても、なお竜としての神々しい威厳に満ちていた。
なのに、いまやもう・・・・・・ただの悪魔。
もう地竜とは思えないほど、様変わりしてしまっていた。
これが憎悪に穢されてしまったものの末路なんだ。
元がどんなに美しく素晴らしい存在であったとしても。
瞬く間に、汚染されてしまうんだ。
あたしは恐ろしさと同時に、大きな悲しみと虚しさも感じていた。
「・・・ミアン! そこにいるのか!?」
あたしの気配を感じ取ったのか、ブランが地竜を見据えたままで叫んだ。
白い髪は乱れ、ケガを負ったのか赤い血に濡れている。
白銀に輝いていた鎧は、煤けたように黒ずんでいた。
銀は、邪悪なものから身を守る効果があると聞いたことがある。
でも地竜の悪しき感情が禍々し過ぎて、もう鎧も防御しきれないんだ。
明らかに劣勢な状況。
あたしは矢も楯もたまらずに叫んでブランの元へと駆け寄ろうとした。
「ブラン! いま行くわ!」
「バカよせなに考えてるんだこっち来るなああーーー!!」
と、彼に絶叫されて前のめりに転びそうになる。
バ・・・バカって・・・・・・。
赤茶色に輝いていたウロコは、どす黒く変色して見る影もない。
銀色だった牙も爪も、くすんで光を失っている。
地底で見た時は、怒りに我を忘れていても、なお竜としての神々しい威厳に満ちていた。
なのに、いまやもう・・・・・・ただの悪魔。
もう地竜とは思えないほど、様変わりしてしまっていた。
これが憎悪に穢されてしまったものの末路なんだ。
元がどんなに美しく素晴らしい存在であったとしても。
瞬く間に、汚染されてしまうんだ。
あたしは恐ろしさと同時に、大きな悲しみと虚しさも感じていた。
「・・・ミアン! そこにいるのか!?」
あたしの気配を感じ取ったのか、ブランが地竜を見据えたままで叫んだ。
白い髪は乱れ、ケガを負ったのか赤い血に濡れている。
白銀に輝いていた鎧は、煤けたように黒ずんでいた。
銀は、邪悪なものから身を守る効果があると聞いたことがある。
でも地竜の悪しき感情が禍々し過ぎて、もう鎧も防御しきれないんだ。
明らかに劣勢な状況。
あたしは矢も楯もたまらずに叫んでブランの元へと駆け寄ろうとした。
「ブラン! いま行くわ!」
「バカよせなに考えてるんだこっち来るなああーーー!!」
と、彼に絶叫されて前のめりに転びそうになる。
バ・・・バカって・・・・・・。