タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
変貌してしまった地竜を見上げながら、ハッと思い至った。


・・・・・・そうだ! 竜神王の目!


あたしは、竜神王の目を地竜に返そうとしていたんだった。


それで怒りを鎮めてもらおうとしてたんだよ!


なんだかもう、見た目は地竜でも何でもなくなっちゃってるけど!


それでもまだ、間に合うかもしれない!


「ブラン! あたし竜神王の目を探してくる!」


そう叫んでその場から駆け出した。


い、痛てて・・・ケガが・・・!


頬をヒクつかせながら、あたしは必死に広大なガレキの荒野を移動する。


秘宝がどこにあるのか、どこに行けばいいのかも分からないけれど。


とにかく探す! なんとしてでも見つけ出す!


ガレキを踏み越え、前後左右をくまなく見回しながら移動する。


・・・目、目、目・・・目ん玉、でてこい!

こら返事しろ目ん玉あぁぁーーー!!


「うぅぅ・・・・・・」


・・・目ん玉返事したっ!?


どこからか聞こえてきた声に、あたしはすかさず反応した。


どこ!? どこなの目ん玉・・・・・・あ!


「スエルツ王子!?」

「うう・・・ぅ・・・・・・」


スエルツ王子がガレキの上に倒れていた。


あたしは飛びつき、必死に王子の頬をバシバシ平手で叩く。


しっかり! しっかりして王子! 死なないで!


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