タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
オルマさんが凄惨な顔をクィッとこちらに向けた。
あたしと王子はビクッと足を止める。
「・・・・・・欲しいのか?」
「オルマさ・・・・・・」
「そんなに、これが欲しいのか?」
彼女の全身がしなやかに動いた。
高く掲げた片腕が、反動をつけて大きく弧を描く。
「やめてーーー!!」
悲鳴を上げて飛びつこうとした。でも、わずか一瞬。
彼女は、思い切り手の中の物を地に叩き付けた。
――パリーーーン・・・!
呆気ない軽い音。
薄いガラスが割れるような音と、あたしの息を飲む音は同時だった。
割れた秘宝は途端に色を失い、無色になって砕け散る。
それは絶望の、音と色だった。
目の前が真っ白になる。
何も聞こえず、何も見えない。
ただ、この粉々の破片だけ。
これは・・・・・・夢? 現実? 世界は・・・・・・
終わる?
「愛など・・・・・信じるに値せぬ」
オルマさんの声からも、顔からも、全ての感情が消え去っていた。
あたしと王子はビクッと足を止める。
「・・・・・・欲しいのか?」
「オルマさ・・・・・・」
「そんなに、これが欲しいのか?」
彼女の全身がしなやかに動いた。
高く掲げた片腕が、反動をつけて大きく弧を描く。
「やめてーーー!!」
悲鳴を上げて飛びつこうとした。でも、わずか一瞬。
彼女は、思い切り手の中の物を地に叩き付けた。
――パリーーーン・・・!
呆気ない軽い音。
薄いガラスが割れるような音と、あたしの息を飲む音は同時だった。
割れた秘宝は途端に色を失い、無色になって砕け散る。
それは絶望の、音と色だった。
目の前が真っ白になる。
何も聞こえず、何も見えない。
ただ、この粉々の破片だけ。
これは・・・・・・夢? 現実? 世界は・・・・・・
終わる?
「愛など・・・・・信じるに値せぬ」
オルマさんの声からも、顔からも、全ての感情が消え去っていた。