タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
「大丈夫だミアン。心配するな」

「ブラン」

「オレは必ず戻って来られるさ。だって・・・」


ブランはニカッと満面の笑みを見せた。


「だって愛は世界を救うんだろ?」


「・・・・・・・・・・・・」


「なら絶対に大丈夫。オレ達はこんなに愛し合っている!」


・・・・・・・・・・・・。


ギュッと胸が痛んだ。


息ができないほどに熱く膨らむ感情を、押さえられない。


押さえきれずにあふれる想いが涙になる。


愛だとか、真実だとか、願いだとか。


あたしの中にある物が、次から次へとあふれ出て。


こんなに熱くて、強くて、苦しいほどで。


あふれて、あふれて、止まらない・・・・・・。


「きっと迎えに行くよ。すぐに迎えに行くから」


「・・・・・・うん」


「そしたら、一緒にずっと山で暮らそう」


「・・・うん」


「木の実を食べよう。夕日を見よう。一緒に眠ろう」


「うん」


「ミアン・・・・・・」


あたしの髪と頬に触れる手。

この感触。温もり。


「こんなに、ミアンを愛しているよ・・・・・・」


・・・・・・・・・・・・。

うん。


「あたしも、こんなにブランを愛しているよ・・・」

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