タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
この世の限り
あの後・・・・・・
目が眩むほどの金の光が消えた後。
地竜とブランとタヌキ達の姿は、こつ然と消えた。
その場から、消え去ってしまったんだ。
なぜか、オジサンもノーム達もユニコーンも、みんな。
残ったのは、人間とガレキの山だけだった。
翌日から、国を挙げての復興作業が始まったけど。
地竜が残した爪痕は、予想以上にヒドイものだった。
植物が枯れて、土地が痩せて、国民もたくさん犠牲になった。
本当に、国が崩壊するところだった。
お城は完全に崩壊したし、住む場所が無くて。
あたしはスエルツ王子とアザレア姫と一緒に、王居の仮住まいへと移った。
そこであたしは、ひたすらブランを待った。
来る日も、来る日も。
朝日を数え、夕日を数え。
今日戻るか、いま迎えに来るかと。
一週間過ぎて。
十日過ぎて。
二週間が過ぎ。
ひと月が過ぎ。
二か月が過ぎて。
春が終わり
夏がきて
秋も過ぎ、それでも・・・・・・
結局ブランは、あたしを迎えに来なかった。