タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
あたしもブランに笑顔を返した。


お互い大変だったけど、息ピッタリの大活躍だったね! あたしたち!


「ちちちっ」


鳥の代表が、あたしの足元に舞い降りてきた。


大騒動だった巣穴の中も、すっかり落ち着いている。


鳥たちが勢ぞろいでこっちを見下ろしていた。


「鳥さん、無事だったんだね。良かった!」


「ちちぃ、ちぃ」


「タヌキと和解するつもりはないが、大蛇を追い払ってくれた事に対しての礼はさせてもらう、とさ」


「ちちちぃ」


「自分たちは、決して礼儀知らずな一族ではないから、だと」


鳥が数羽、舞い降りてきた。


その口元には、色鮮やかな羽根が何枚もくわえられている。


鳥の代表が自分の翼にクチバシを当て、一枚の羽根を抜き取った。


ため息が出そうなほどの、ひときわ美しい色合いの羽根だった。


「持っていって、好きに使ってくれ、とさ」


「ありがとう! 鳥さんたち!」


「ちちち」


「過酷な世界の輪の中で、果敢に戦う人間の少女への尊敬の証だ、だとよ」


「鳥さん・・・」


胸に、じぃんと熱いものが込み上げてきた。


やだもう、これって感動的じゃない? ちょっとウルッときちゃうんですけど。


まさか鳥類相手に、こんな熱い心の交流を交わすなんて思わなかったよ。


「どうだ? やっぱりオレの嫁はたいしたもんだろう?」

「ちちちちぃ~」


鳥の代表がなんて答えたのか、あたしには分からなかったけど。


ブランがすごく嬉しそうな笑顔になって、笑った。


小首をかしげた鳥さんの姿も、今までで一番キレイで可愛らしかった。

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