タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
「ご夫人がうらやましいですわぁ」


「ご覧になって! あの見事なドレス!」


「ええ! あんな素晴らしいドレスを見るのも初めてですわ!」


うわ、褒められてる? このドレス。


つい、頬が緩みそうになるのを懸命にこらえる。


知らないふりしながら、耳は全神経を集中させてたりして。


「あの色合い! どうやって出しているのでしょう?」


うふ。


「まさに歩く宝石のようですわね!」


うふ。うふふ。


「髪飾りも、鳥の羽根のような見事な細工ですこと!」


うふふ。うふふぅぅ。


「本当に、素晴らしいですわ! ・・・あのドレスが!!」


・・・・・・・・・・・・。


なーんか、引っかかりを覚えるんですけど。


顔立ちを絶賛されてるブランに対して、あたしって露骨に服しか褒められていない。


「ミアン、踊ろうぜ」


つまらなそうにしていたブランが、あたしに言った。


「え? え? お、踊るって・・・?」


「なんだかみんな踊ってるぞ。ここはそういう場所なんだろう?」

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