ガーデンテラス703号
Entrance
「こちら、あたしと同じ職場で受付とネイルを担当してる莉亜ちゃん」
「よろしくお願いしまーす」
シホに紹介された莉亜ちゃんが、私と香織にぺこりと頭を下げる。
合コンのメンバーとしてシホが連れてきたのが莉亜ちゃん。
私たちよりもふたつ年下という彼女は、よく笑う明るい印象の女の子だった。
「可愛いでしょ、莉亜ちゃん。しかも気が効くし、いい子だし。うちに来る男性のお客さんの8割くらいは莉亜ちゃん目当てなんだよ」
「シホさん、全然そんなんじゃないですから」
顔の前で謙遜するように手を横に振る莉亜ちゃんは、嫌味がなくて確かに可愛い。
「よろしくね。私があゆかで、こっちが同期の香織」
「よろしくお願いします」
私とシホと香織と莉亜ちゃんの4人は、遥斗たち男性陣との待ち合わせの1時間前に駅前のカフェに集まった。
私がよく知らない人たちと飲みに行くのが苦手だと知っているシホの取り計らい。
せめて、女性メンバーだけでも先に顔見知りになってれば安心だろうと莉亜ちゃんを早めに連れてきてくれた。
それに快く了承してくれたという莉亜ちゃんはシホの言うとおりいい子なんだろう。