ガーデンテラス703号


時計を見ると、午前2時前。

スマホを放り投げて、ベッドに寝転がり目を閉じてみる。

だけど、疲れているのに妙に目が冴えてしまっていて、そのまま眠りに落ちるのはどうにも難しそうだった。

仕方なく、身体を起こして立ち上がる。


温かい紅茶でも淹れようかな。

メッセージを作るのに必死すぎて、少し凝り固まってしまった肩を、片方ずつ拳を作ってトントンと叩く。

そうして、他の部屋に音が響かないように、そーっと部屋のドアを開けた。

その瞬間、リビングのシーリングライトの光が目に飛び込んできて、思わず目を細めてしまう。

深夜だから、もうみんな寝てしまっていて、リビングは当然真っ暗だろうと思っていたのに。

そこに、煌々とした明かりが灯っているから驚いた。

ダイニングやキッチンのほうにまでさっと視線をやってみたけれど、明かりの灯るリビングには誰もいない。

どうやら、最後にリビングを出る人が消し忘れたらしい。



< 208 / 393 >

この作品をシェア

pagetop