ガーデンテラス703号
「まぁ、会ったっていってもほんの一瞬だけどね。ホタルのほうももう忘れてるかも。私たちがグループで飲み会してた横を、同じようにサークルメンバーで飲み会してたホタルが偶然通り過ぎたの。私が声をかけたらこっちを見て、立ち止まったからどうしたんだろうと思ったら、隣に座ってたあゆかのこと見てた。10秒くらい」
「え?それって、出会ったって言える?」
シホの話にぽかんと口を開けた私の向かい側から、朋美が即座にツッコミを入れる。
「言えるよ。あのときのホタル見て、絶対あゆかのことタイプなんだろうなって思ったんだよね。まぁそのときは、あゆかには遥斗がいたから、紹介することもなかったけど」
「たったそれだけのことで、よくホタルがあゆかとくっつくと思ったなんて断言できるね」
苦笑いする朋美に、シホがニヤリと笑ってみせる。