海犬の冒険
序章
この間までは、どこにでもいる普通な犬だったはず。



草木のざわめきを聞きながら、風を斬って、大好きな愛ちゃんと走っていたはず。




今は…今は?




自分のまわりにあるのは、海藻という名のゆらめく草、波というなの静かな風。



手足を動かしても、走れない。



もっと、一番つらいのは、隣に愛ちゃんがいないこと。



僕は何をすればいい?



どうすれば、自分の居場所に帰れるだろう?




< 1 / 14 >

この作品をシェア

pagetop