子犬系男子の溺愛っぷり。
* 第1章 *

** 年下の彼とあたし

**


「先輩っ!」

「…何」


決まっていつもの時間に。

今日もまた、やって来た。

毎日毎日うっとおしいくらいにやって来ては、全開の笑顔を向けてくる。

人懐っこいその笑顔は、

周りの女子を魅了してしまう。


『子犬系男子』と呼ばれている彼は、その名の通り子犬のようだ。

可愛らしい顔が男とは思えない程で、知らない人が見れば女と間違えてもおかしくはないだろう。


「今日も相変わらずクールだね!」

「…はぁ、どうも」


声を聞けば、やっぱり男で。

見た目と音声が一致しない。

体型はスラッとしていて身長も高く、どう見ても男なのだけれど顔を見てしまうと男に見えないから不思議だ。


それなのに何故かあたし達の学年と3年からは絶大な人気を得ている。

弟のように可愛がる人もいれば、付き合いたいと願う人までいるみたい。
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