子犬系男子の溺愛っぷり。
「ドキドキしたとしても、それが好きとは限らないじゃん」

「まぁ、そうだけど…。怜は夏目君と一緒にいてどう?」


どうって……

んー、どうって言ったって…


どうやって言葉にしていけばいいのか分からなくて、頭の中で何度も何度も繰り返してく。

見かねた詩織が、「思ったままを話して」と言ったから、ようやく言葉に出す事ができた。


「夏目君の隣にいると何でだか落ち着くんだよね。
しっくりくるっていうか…夏目君の声に安心する。
でも、目立つからたまにだけど疲れちゃったりもする」


分かった、かな…?

頭の中、ぐちゃぐちゃで何を言えばいいのか分からなくて困る。


安心するのに、疲れちゃうって…


矛盾しすぎてるよね?

でも、それが事実なんだよね。


凄く安心するのと同時に、注目を浴びてしまうからこそ隣にいるのが疲れちゃうって感じで……

夏目君が悪いとかじゃないんだけど、ただ、『人気者』なだけあって周りが騒いでいるから。


仕方のない事なのかな……
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