子犬系男子の溺愛っぷり。
「失礼しまーす…っていない」
保健室には先生はいなくて、シーンと静まり返っていた。
ここには、あたしと夏目君の2人だけしかいなくて、ちょっとドキドキ気味。
「とりあえず寝ててください」
「んー…」
返事をするのも辛くなってきて、熱が徐々に上がっているんだと分かった。
頭もぐるぐる回ってる感じがして、ベッドに横になると、少しだけ楽になった気がした。
風邪、引いたのかな……
最近は熱も出てなかったから安心しきって、油断してたから?
「怜先輩、熱計ってみてください」
「…ん」
受け取った体温計を挟み、暫く時間が経つと、ピピピっと鳴った。
目の前の体温計には、"38.5"度と表示されていた。
「結構熱高いですね」
「…熱、移るといけないから…教室に戻りな?」