子犬系男子の溺愛っぷり。








「失礼しまーす…っていない」


保健室には先生はいなくて、シーンと静まり返っていた。

ここには、あたしと夏目君の2人だけしかいなくて、ちょっとドキドキ気味。


「とりあえず寝ててください」

「んー…」


返事をするのも辛くなってきて、熱が徐々に上がっているんだと分かった。

頭もぐるぐる回ってる感じがして、ベッドに横になると、少しだけ楽になった気がした。

風邪、引いたのかな……


最近は熱も出てなかったから安心しきって、油断してたから?


「怜先輩、熱計ってみてください」

「…ん」


受け取った体温計を挟み、暫く時間が経つと、ピピピっと鳴った。

目の前の体温計には、"38.5"度と表示されていた。


「結構熱高いですね」

「…熱、移るといけないから…教室に戻りな?」
< 114 / 432 >

この作品をシェア

pagetop