子犬系男子の溺愛っぷり。
不器用なあたしには、周りに自分から声をかける勇気がなくて、気づいたら1人ぼっちになっていて…

そんな時に声をかけてくれたのが詩織で。


それからずっと詩織と一緒にいるけど、今こうして隣に詩織がいなかったらあたしは今頃1人なんだろうなぁ。

そう思うと、詩織の優しさが凄く嬉しくて胸が熱くなる。


「お前のものじゃねぇだろ!」

「いや、あたしのよ!」

「意味分かんねぇ事言ってんな」


……また、始まった。

いつものお決まりみたいに。

詩織と斎藤が顔を合わせると、すぐ口喧嘩になっちゃうから。


本気で言ってる訳ではなさそうだから、そこは安心してるけど…

言い合ってる2人の顔は、何となく笑ってみえて楽しそうだ。


「フっ。」


つられて笑ってみたり。

以前のあたしとは、また違った自分を発見できてみたり。

悪い事ばかりではないみたい。


「「…笑ってる」」
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