子犬系男子の溺愛っぷり。
「あ、怜先輩!」


ちゃっかり時間通りに来る夏目君。

いつもの通りに笑顔を付けて、周りには花が飛んでいるようなオーラまで。


その笑顔でどれだけの女子が虜になってるか本人は知らずに。

そして、呼ばれたあたしに一斉に視線が注がれる事も。


「何?」

「熱、もう大丈夫ですか?」

「あー…うん、おかげ様で」


一昨日熱が出て、夏目君に看病されたのを思い出した。

と言っても氷枕と冷えピタを貼ってくれただけなんだけども…


一応お礼しとかなきゃね?

あのまま熱に気づかなかったら今頃まだ家で寝込んでる始末だもん。


だから夏目君には感謝してるよ。


「治ったみたいで良かったです!顔色も元に戻ってますね」

「うん」


顔色だけで熱があるのかないのか分かるなんて凄いなぁ。

あたしなら絶対に無理だ。


熱があったとしてもそのまま放置で、いずれ治るだろうみたいな考えだし…。
< 124 / 432 >

この作品をシェア

pagetop