子犬系男子の溺愛っぷり。
「言ったじゃないですか〜。
ドキドキさせるために言ってるんですよって」


夏目君には通じないみたい。

いくら言葉を注意しても動じるどころか、益々ストレートすぎる言葉がエスカレートしてきてるような…


ドキドキさせる為だとしても、あたしの心臓がこれ以上は無理だといっている。


「怜先輩は素直に俺だけに、ドキドキすればいいんです」


当たり前みたいな顔して言って。

それだけなのに、またドキドキして。

あたしの心臓うるさすぎ…っ


"可愛い後輩"のはずなのに………、

どうしても"カッコイイ男の子"としか見えなくなってきてるのはどうして?


親鳥の後をちまちまと付いてくるヒナ鳥のような感覚だったのに、今では全くの別物で。

"1人の男の子"になっていて、その姿は美しい程に立派になっていて。

もう、可愛い後輩として見る事が出来ない自分がいる。


「怜先輩、顔真っ赤。」

「う、るさい」


顔を隠すように両手で頬を包み、夏目君には見られないようにした。
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