子犬系男子の溺愛っぷり。
もう…本当、どうしよう。

目の前にいる夏目君を見られないくらい恥ずかしくてたまらない。


……心臓の音、止まれ…!

うるさい、うるさい……っ


鳴り止まないドキドキは、あたしの耳にまで届いている。


「怜先輩は絶対他の奴になんて渡しませんから」

「い、意味…分からない…っ」


熱くなりすぎて、頭が回らない。

思考が止まってしまう。

何も、考えられなくて……


それなのに夏目君の言葉が、夏目君の笑った顔が、頭の中を駆け巡っている。


もう、おかしくなりそう…っ


夏目君の前だと自分らしくいられなくて、ついつい感情を表に出しすぎてしまう。

自分をコントロール出来ない。


「怜先輩、頭の中を俺の事でいっぱいにしてくださいね」


どこまでも甘くて。

甘すぎる蜜のような、言葉で。

あたしの思考回路を麻痺させる。
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