子犬系男子の溺愛っぷり。
夏目君に振り回されるのは慣れたと思ったのに、そう思っていたのはほんのわずかで、また最初の頃に逆戻り。

いつまで経っても慣れる事のない。


その甘い言葉に翻弄されてしまうあたしは一体どうしちゃったの……?


振り回されるのが嫌じゃないって、

甘い言葉を言われるのも嫌じゃない。


――むしろ、胸が熱くなる。


熱くなって、ドキドキが加速して。

……くすぐったい気持ちになる。


「―――っ…」


言葉を口にしようと思っても、緊張しすぎて上手く話せない。


もどかしくて、じれったい。

こんなの自分じゃないって……


それなのに、"新しい自分"を見つけたみたいな感覚に少しだけ嬉しさと戸惑いがある。


夏目君と話すようになっていろんな自分を発見できた。


夏目君は"可愛い後輩"で。

それ以上でも、それ以下でもない。


………はずだったのに。
< 133 / 432 >

この作品をシェア

pagetop