子犬系男子の溺愛っぷり。
ーー…


放課後になり斎藤と屋上に来た。


教室だと部活生徒とか邪魔が入りそうだという事で、屋上に。


「…」

「…」


空は夕焼けのオレンジ色に染まっていて、日が沈みかけていた。


その景色が思った以上に綺麗で、あたしは無意識のうちに『綺麗…』と呟いていた。


「綺麗って何が?」

「あ、空が…」

「あぁ。なるほどね」


この場の空気が重たいのはきっと今から話す事が関係している。

だからせめて普通でいようと心がけてはいるけど、なかなか難しい…。


「あの、さ…えーっと…」


斎藤が何かを話そうとしてる。

だけど、まだ濁してるというか覚悟?が出来てないからなのかな。


「黒瀬、に…聞いてほしい」

「…うん」


真っ直ぐに向けられたその強い眼差しを逸らす事は出来なくて。

その眼差しには"覚悟"というものが見受けられた。
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