子犬系男子の溺愛っぷり。

「…俺、お前の事…


黒瀬の事が、好きなんだ…。」




……え？

今、あたしの事を"好き"って？


目の前にいる斎藤が言ったよね…？

でも、何であたし？



「今更言っても迷惑かけるって分かってる…けど、やっぱり気持ち伝えないまま今の恋を終わらせられないから。」


知らなかった。

斎藤がそんな思ってくれてたなんて全然知らなかったよ…。


「黒瀬は１年のあいつと付き合ってるから今更奪おうなんて思ってねぇし。

ただ、好きだからこそ…ちゃんとフッてほしいというか」

「…う、ん」

「俺はお前の幸せ願ってるし…。」


斎藤、あんた優しい奴だよ。


いつもは口うるさく突っかかってきてうっとおしい時もあったけど、実はいい人なんだね…。


誰かに好かれる事は嬉しいことだけど、その気持ちを返すことが出来ないのが申し訳ない…。


思ってもらえるのが嬉しくてこんなに悲しい事なんだ…っ



「斎藤…ごめ…っ。あたし、斎藤の気持ちには応えられない…！

好きになって、くれたのに…


ごめんね…っ」



涙がポロポロと溢れ出す。