子犬系男子の溺愛っぷり。
い、言ってしまった。

狼になった裕貴君も好きだよ…。

どんな裕貴君も、好きだから。


「良かった!俺きっとこれから狼にならない自信なんてないんですよね。
だからなるべく我慢はするけど、あまり俺を誘惑しないでくださいね?」

「誘惑…なんてしてない」

「無自覚だから困るな〜。でも、そこも好きだから。
もしも怜先輩がキスしたいのなら俺は大歓迎ですからね」

「し、しない…!」


あたしからキスしたいだなんて…

そんなの無理だって!


てか、詩織もこの前そんな事言ってた気がするよ。


「…って言っても俺がキスしたいんですけどね」


首をコテンと傾けた後に、微かにニヤっと笑ったかと思えば

頬に手を添えられてキスされた。


今度はさっきとは違ってほんの少しだけ触れるようなキス。


…油断した!


「怜先輩、顔真っ赤」

「…うるさい」


"可愛い"の欠片もないくらい目の前にいる裕貴君は狼のようで。


…ドキっとした。
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