子犬系男子の溺愛っぷり。
幼稚園の頃は、分からないけど、小学生の時からこんな感じだったと思う。

何に対しても興味がなくて、基本無口で、愛想笑いが苦手で、おまけに自分の思っている事を表に出すのが特に苦手だった。


詩織がいてくれたから、周りの友達にも誤解されずに済んでいるけど、今までにいろいろと大変な事が多かった気がする。


「俺、外見こんなだけど中身はすげー真面目だったりするから」

「…フっ。それ、自分で言う?」


こんな見た目してて、中身が凄く真面目だなんて言われても信用性0だけどね?

それを真顔で言っちゃうから、おかしくなって小さく吹いた。


だけど、見た目よりも思った程チャラチャラしてなさそうで、案外仲良くなれそうな気がする。

……確信は、できないけど。


「とりあえず、よろしくな」

「…うん」


手を前に差し出してきた。

これは、握手をしろと?

夏目君にも似たような事されたよね。


あの時は、指切りだったっけ。

そんな事を思い出しながら、差し出された手に、手を添えるとギュっと力が加わり握られた。
< 27 / 432 >

この作品をシェア

pagetop