子犬系男子の溺愛っぷり。
「ん〜、じゃあ斎藤に教えてもらったらいいじゃん」

「は、斎藤?何で」

「斎藤ね、英語は得意みたいよ」


…意外すぎる。

あの斎藤がだよ!?

チャラくてフェロモン放出してていかにも頭がバカそうな"あの"斎藤が!?


人間って見た目だけじゃ分からないものなのね。


「おい、心の声聞こえてるぞ」

「え?」


心の声?

あたし、口に出しちゃってた?

ま、マズイ……っ


「お前、悪口酷すぎるぞ!」

「ご、ごめん」

「素直に謝られても尚更傷つくわ!」

「わっ…ちょ、」


頭を強く撫でられて髪はクシャクシャに乱れた。


その時の斎藤は本気に怒っているようではなかった。

だって、笑っていたから。


「怜、言うならもうちょっと盛大に悪口言わなきゃダメだよ〜」

「今度からそうする」

「おい、お前等2人して俺をおちょくるのがそんなに楽しいのか!?」

「「うん!」」


斎藤をおちょくるのは楽しい。

前みたいにこんなふうに出来るようになるなんて本当に嬉しい。


だからこそ尚更おちょくるのに精が出るというか…。
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