子犬系男子の溺愛っぷり。
斎藤の顔を見るのが怖くて、下を向いているとーー…

グイっと腕を引っ張られて気付けば斎藤の腕の中。


「お前、小せぇな」


耳にダイレクトに伝わってくる斎藤の声が色っぽくてゾクリとする。

…いつもはからかってばかりのあたしで女なんて見てもらえてないけど、今の言葉を聞くと嬉しいな。


女の子として扱ってくれてる。

背中に回っている腕も力は入れられてなくて、優しく抱きしめてくれている。


ドキ、ドキ、ドキ

ーーあ…斎藤も緊張して、る…?


あたしばっかりドキドキいってるわけじゃないんだ…。

良かった、良かった…っ


「いつも威勢がいいお前がなんか大人しくて可愛らしいな」

「なっ…!」

「お、復活したか?」

「し、してないし…っ」


…確かに普段は威勢がいいかもしれないけどさ!けどさ!

あたしだって女の子なんだから好きな人の前では大人しくするよ。
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