子犬系男子の溺愛っぷり。
――…


「どうしよ、…」

「もう約束しちゃったんでしょ?」

「…うん」


今思い返せば、何て馬鹿な事をしたんだろうと後悔の念にかられるばかりで。

それでも、猫に会いたいという誘惑に負けたのは自分で…

自業自得というやつです。


「逆に楽しんじゃえばいいじゃん」

「うーん…」

「猫、好きなんでしょ?」

「もちろん」


猫好きだから、「行く」なんて約束しちゃった訳で、仮に飼ってるのが猫じゃなかったとしたらきっと行ってないと思う。

でも、男子の、しかも後輩の家に行くってのはまずい気がする……


夏目君の場合は、『子犬系男子』として人気者な訳であって、夏目君の噂は瞬く間に広い範囲に広がる。

そこが一番厄介なんだよね。


きっと、明日になれば噂だって学校中に広まってるに違いない。


「あー…最悪」


自分の甘い考えを呪うわ……
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