memory
ポスターが描き終わった頃にはすっかり暗くなってしまった。
「もう暗いし、家まで送るよ。」
「いや、大丈夫だから。」
「でも暗い中、女の子一人じゃ危ないでしょ。」
「あなたに私が守れるの?」
寂しそうな顔で小さな声で呟いた。
「え?」
「いえ、何でもない。一人で帰れるから。」
そう言って帰ろうとする。
「待ってよ。俺が送りたいんだ。一緒に帰りたい。だめ?」
彼女の顔に少し戸惑いが見えた。
彼女はため息混じりに勝手にすればと小さく言った。