memory
1章

彼女を初めて見たのは、中1の冬だった。

忘れ物をとりに、放課後人の少ない校舎へ入ると、ピアノの音が聞こえた。

自慢じゃないが、俺は耳がいい。

グラウンドの様々な掛け声や吹奏楽部の練習する音の中に微かだが確かに聞こえる。

音を頼りに辿ると、そこは普段あまり使わない第二音楽室だった
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